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「学校図書館ネットワーク化事業」で、子供たちの図書の貸し出し数が倍増

「学校図書館ネットワーク化事業」で、子供たちの図書の貸し出し数が倍増

2008年5 月30日 (金)

東京都品川区

 小中学校の図書館と区立図書館とをオンラインで結ぶ、「学校図書館ネットワーク化事業」で、子どもたちの図書の貸し出しが倍増している東京都品川区を視察しました。この事業は、平成17年4月からスタートし、東京23区内でも初めての取り組みですから、全国でも先駆的な事業です。昨年度までにネットワーク化した学校は、区内58校の小中学校のうち34校(小学校26校、中学校8校)です。

 今、どこの小中学校でも似たような傾向にありますが、児童・生徒の探している本が学校の図書館にはなく、子どもたちが学習意欲を失ってしまうケースも多いようです。これを解消するために品川区では、各小中学校の図書館と区立図書館(蔵書・100万冊)をネットで結び、図書を検索して、子供たちが読みたい本を取り寄せることができるようにしました。

 品川区の事業の検証調査によりますと、同区では、これまで子どもの1カ月の平均読書量が、小学生6・2冊、中学生1・3冊と、いずれも全国平均(小学生7・5冊、中学生2・5冊)を下回っていました。ところが、今回の整備事業の初年度にスタートした11校の本の貸出数は軒き並みに倍増するというはっきりとした成果が出ています。

 区立図書館職員の案内で、実際にネットワーク化事業を行っている区立台場小学校を見学しました。ちょうど休み時間で、子どもたちが本の貸し出しを受けている最中でした。楽しそうに図書館内で遊んでいます。普通、学校図書館といえば、隔離された場所にあるところが多いのですが、ここは日常の学校生活の中に図書館が溶け込んでいるという感じでした。
 視察では、品川区立図書館の茂原泰博主査、台場小学校の松本清介校長から丁寧な説明をしていただきました。